5月21日付北海道新聞の報道(石狩市 PCR検査センター)について

石狩医師会ホームページの内容といささか重複しますが、石狩市の医療提供に関する姿勢や道新の報道内容、姿勢には大いに疑問を持ちます。

【当院の取り組み】
 当院では4月上旬から、かかりつけ患者さんを対象に新型コロナ感染症の疑いのある方専門の発熱者外来を設けておりました。記事中に「道の依頼を受けた1医療機関が専門外来を設けて行ってきた」とありますが、半分は間違っています。新型コロナ感染症を疑った場合、どうしても他の患者さんとの動線やエリアを分けざるを得なく、患者さんのみならず院内での感染防止のために分離をして安全に検査を行っていることを、いつの間にか江別保健所に認識され、保健所の依頼のもと新患の患者さんも受けているうちに「発熱者外来」と称されるようになったということです。はじめから北海道庁からの依頼があったわけではありません。
 このような形で新型コロナ感染症の疑いのある患者さんを検査、診察、場合によってはPCR検査も行ってきましたが、あまりの患者数の多さに外来機能が麻痺しかけたこと、院内感染の恐れも高まったこと、さらには心無い風評被害も多く生じたため、4月22日以降は、かかりつけの患者さんのみ診察を行うこと、新患は他の病院で診ていただきたい旨を江別保健所に通知し現在に至っております。

【石狩市役所の怠慢】
 本来、地域住民への医療提供や健康増進の責任は自治体にあります。発熱者外来開設以降様々な風評被害に悩んだ当院では、記事中にもあった保健福祉部の上田均部長と連絡を取り、当院の事務長から、強烈な風評被害に悩んでいることを相談すると同時に、石狩市が中心となったPCR検査実施提供の場の設立について働きかけを行いましたが、「検討する」の一言のみで、1か月以上たった現在もほとんど何らの動きもありません。本来市役所が責任を負うべき業務に対し、あれこれ言い訳をして先延ばしにしていることは明白です。もちろん、当院だけではなく石狩医師会が江別保健所や北海道庁と共に幾度となく石狩市役所にPCRセンター設置を働きかけていますが、いずれにしても主体的に動く気配がありません。石狩病院のかかりつけ患者以外の方は、新型コロナ感染症も疑われる発熱時には市外の医療機関まで赴いているのが現状だと推測されます。

【北海道新聞の報道姿勢の問題】
 石狩医師会の文書にもあるように、実は4月下旬に当院の事務長が北海道新聞から、「札幌近郊の市町村の新型コロナ対策の現状」というテーマで約1時間にわたって取材を受けております。その中では、市立病院がない中懸命に奮闘してきたが、患者増に対応しきれなくなっていること、強烈な風評被害に悩んでいること、石狩市役所からの支援が皆無であることなどを話し、石狩市役所自身が責任を持ってPCR検査等を行える医療機関の確保をすべきであると話し、数日のうちにその内容が報道されるとのことでしたが、そのような医療提供者側の訴えは一切報じられることなく、今回、石狩医師会がまるで悪者であるかのように報道されていることは極めて遺憾だと感じております。

現在終息に向かいつつある新型コロナ感染症ですが、ワクチンや特効薬の開発にはまだまだ時間がかかり、秋以降にも第2波、第3波の襲来も十分に起こり得ます。当院では今後もかかりつけの患者さんにつきましては、これまでと同様の対応をとるつもりでおりますので、今後も安心して受診してください。

令和2年5月22日 

病院長

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